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若手育成に力 クラブ初のGMに就任した村野晋さん
札幌を運営する北海道フットボールクラブ(HFC)の村野晋管理部長が2月、育成部長も兼ね、強化部も統括するゼネラルマネジャー(GM)に就任した。GMという役職はクラブ創設後初。J1最下位クラスの強化費でJ1残留を目指す札幌で、責任は重く、苦労は多いが、生え抜きの若手を中心とした育成型のチームを目指している。

 「GMといっても僕はグラウンド・マネジャー(グラウンドの管理人)だよ」と笑うが、チーム運営に当たる「管理」、若い選手を育てる「育成」、選手をスカウトする「強化」の各部門を統括する要のポジションだ。こうした兼任は珍しいが、「お金がないから一人でやらざるを得ない」と苦笑する。

 就任早々、新外国人アルセウが電撃退団した。GMとしても責任が問われる。「性格的に問題があるというリスクは承知で、その能力にかけた」。かけは外れた。だが、シーズン途中で退団されるより影響は少ないと判断し、早期の契約解除を決断した。

 強化費が少ないため、育成型のチームづくりを目指す。「僕も執行役員のはしくれ。強化も経営抜きには考えられない。費用対効果を考えない補強はあり得ない」と断言する。かつて補強に大金を費やした結果、累積赤字を27億円まで膨らませたクラブの「負の遺産」を踏まえての発言だ。

 横浜フリューゲルス、日本サッカー協会で総務・管理の仕事に携わった後、2003年に札幌へ。若手に規則正しい生活を送らせるため、自宅に選手を招き、妻の明子さんが朝食と夕食を提供していた時期もあった。だが、限界も感じていた。

 「思った以上に社会性のない選手が多く、規律がチームになかった」。04年に酒気帯び運転で人身事故を起こした選手を解雇する不祥事が起きたことをきっかけに、05年に独身寮「しまふく寮」を新設し、管理人として常駐。その結果、寮で育った石井、藤田、西、岡本の「若手カルテット」が昨年急成長し、シーズン終盤にチームの危機を救ってJ1昇格に貢献した。

 現在、ユースを含め寮生は約20人。彼らの父親代わりでもある。「プロになれない子がいることも考えないと。社会性を養う必要があるし、勉強もできないといけない」。今年から、高校生のために北大大学院生を家庭教師として雇い、試験期間に勉強させている。

 休みらしい休みはない。苦労の多い役職だが、「しがらみがなくて面白いクラブ。真っ白なところに絵を描くのは楽しいでしょ」。将来は、札幌をスペインのバルセロナのような総合型スポーツクラブにするのが夢。その夢を実現するための第一歩、J1残留に向けて全力を尽くす
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